PKSについて

1. PKSとは

Palm Kernel Shell の略称です。

パームヤシ(アブラヤシ)の殻の部分で、パームオイルを生産する過程で発生する農作物残渣で、以前までは廃棄物として処理されていましたが、水分含量が少なく、発熱量が高いことから近年バイオマス(生物資源)エネルギーとして注目されています。
主にインドネシアやマレーシアなどの東南アジアから輸入されています。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度の対象(一般木質バイオマス・農作物残渣)となっており、PKSを使ったバイオマス発電計画が増えています。

PKSはオイルを採るヤシ果実の殻の部分で、パームヤシを専用工場に持ち込み、オイルを抽出した後に残ったものです。
殻には油分があるため、発電効率を高めるために有効な手段とされ、注目を集めています。

2. PKSの特徴

他の燃料との対比

  PKS COAL GAS FUEL
熱量(Kcal/kg) 4,300~4,800 5,200~6,600 8,800~9,800 10,000
水分含有率(%) 12~18 9~25 1.0 1.0
CO2排出量(トン) 0
※カーボンニュートラル
2.2 1.3 1.7

乾燥した(水分含有量が20%以下のもの)PKSの熱量は1キログラム4,300~4,700キロカロリー程で、同じ木質バイオマス(生物資源)発電で使用される一般的な木材と比べると2倍程度あるとされています。

 パームヤシは成長時に二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃やしてもCO2を排出したと見なされない「カーボンニュートラル」にあたります。そのため国の再生可能エネルギーの固定価格買取制度では一般木材に位置付けられています。

一定の金額で電気を買い取ってもらえれば、発電所にとっては安定収入につながるため、今後80程度の木材やPKSを使った発電所が順次稼働する見込みです。

3. PKSの価格の動向

全国で木材等の植物を燃料として使うバイオマス(生物資源)発電が活発になっています。近年稼働している木質バイオマス発電所が増えているだけではなく、申請されているバイオマス発電所や火力発電所からの転用も増え、今後もこの傾向は継続していくでしょう。

こうした中でパームヤシ殻(PKS)が燃料として注目を集めています。昨今PKSは輸入量が増えているうえ、価格も上昇傾向にあります。

輸入量は 2011年には3万トン弱だったものが、2014年は約24万トンと8倍に増え、2014年は一年前の2013年と比べると80%も増えています。2015年に入ってからもこの傾向は続き輸入は増えて、1~5月の5ヶ月間で2014年の70%に至り、価格も上昇しています。

日本着の価格は2011年は9,000円/MTだったものが、2014年は12,000円/MTと、30%超上がっています。
今後の需要増を見込して、インドネシア政府もPKSに税金を課したり、現地業者も強気な価格交渉を続けているのが原因です。当然に日本の商社も目を付け、PKSの在庫の確保に躍起になっているのが実情です。